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DATE:

2013.09.04 - 2013.09.28

PLACE:

ginza graphic gallery

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2013.08.09
Fri
text by DT

GGGにて開催される「PARTY そこにいない。展」を、つくっている方々をご紹介しております。


今回はキービジュアルと、展示に際して出版されるggg bookのデザインを担当した、

PARTYのビジュアルエンジニア 宮本拓馬さんにインタビューをして参りました。


(入稿前でバタバタしつつなかなか席に着けない宮本さん)

忙しい中すみません...。今回はどういう経緯であのグラフィックに定着したんですか?

今回のキービジュアルは、ディレクター4人の3Dデータを少ないポリゴン数で表現して、その面ごとに過去のプロジェクトをタイリング(貼付け)していけばいいんじゃないか、という伊藤さん(弊社クリエイティブディレクター 伊藤直樹)のアイデアから始まっています。工程としてはかなりイレギュラーだったんですが、僕がタイリングされた3Dデータをつくって、それをレイアウトを担当している篠塚さん(弊社デザイナー 篠塚大郎)に渡して、今度は篠塚さんがそれを2D上でレイアウトして見栄えを調整、そこからさらに3Dデータをつくり直して、という流れで進めていきました。こういうフローを経ていておもしろかったのは、3Dだけだとつくれないビジュアルができたことですね。実はこれ、後ろの人がものすごく大きかったりするんですけど(笑)実際のデータはこうなっています。

miyamoto_1.jpg

これすごいですね!カンタさん(弊社クリエイティブディレクター 清水幹太)と伊藤さん(弊社クリエイティブディレクター 伊藤直樹)の前傾具合が半端じゃない(笑)

篠塚さんが余白を調整しながら3Dを平面的に配置して、それをもとに僕が3Dデータを書き直してるので、結果的にこういうバランスになっているんです。


各3Dデータの「面」に乗っている2D画像の配置はどうつくったんですか?

本来そういうことをしようとしたら「UV展開」といって、3Dデータの展開図を書き出して、書き出した平面上に画像をタイリングしていくんですが、それだと最終的な3Dとしての検証がしづらいので...今回は3Dデータ上でそれぞれの面を別オブジェクトとして設定して、それらにランダムにテクスチャ(表面の画像)が貼られていくように設定を組んだんです。あとはそれぞれのテクスチャがポリゴンに対してどういうサイズで貼られていくかを調整しました。ものによってはもともとの画像をテキスタイルのように構成し直したりして。

方向性が決まった段階でいくつか案を出していたんですが、伊藤さんに一貫して言われていたのは「ぱっと見では平面として見えること」でした。個人的には光源を設定して影をつけたり反射光を設定したり、というような「3D的なビジュアルのつくり方」が割と好きなんですけど...今回はとにかくたくさんの要素が「平面構成」的に並んでいる状態でかっこよく見せるという課題があったので、そこがすごく難しかったです。


ggg bookについても聞かせてもらいますか?

本のほうはキービジュアルよりも前から進めていました。最初はたまたま社内で空いているデザイナーがいなくて、僕は紙もののデザインはほぼ経験がないんですけど前から興味があったのでこれを機にやらせてもらえないかってお願いして、担当にしてもらいました。インデザイン(レイアウトデザインのソフト)の使い方を覚えたいなっていうのもあって(笑)

映像のフォーマットである縦横比が「16:9」のものがすごく多くて、それに合わせてレイアウトフォーマットを組んだりするのはなかなか難しかったです。最終的に映像はこれ、アプリはこれ、という風にルールをつくることができてきて、その上でフォーマットを崩したりもしました。


規定のフォーマットがない中でレイアウトするのは難しそうですね...

そうですね。自主プロジェクトはプロダクトだったりインスタレーション、空間演出もあるし、あとはミュージックビデオ、テレビ番組、WEB、アプリ...TOTOの仕事だとバイクとかも(笑)個人的にはこのページが一番気に入っています。

miyamoto_2.jpg


レイアウト以上に大変だったのはクレジット確認でした。とにかくたくさんの人が関わっているので、そこはプロジェクトマネージャーチームと力を合わせて連日確認作業を進めていきました。

あとはとにかく時間がなかったので、過去に会社のREEL(複数のプロジェクトムービーを短くカットして編集したもの)をつくったときの経験とかからいろいろとディレクションを推測して、こちらである程度つくったものを見せて進めていきました。それでもたくさん直しが入ったりはしたんですが...1ページずつクリエイティブディレクターも違う、クライアントや関わった人たちも膨大という中で、デザイン以外のところのコミュニケーションがすごく求められました。


宮本さんははじめてエディトリアルデザインということで、デザインワークの中で心がけたことや思ったことなどはありましたか?

宮本:WEBデザインのときのように、フォーマットをつくって流し込んでいくっていう工程をつくりたいなと思っていて、そういうのは僕は向いてるのかなと思いました。逆に雑誌みたいにあそびを持たせなきゃいけないのは向いてないなと思います...。

そういう意味では、CSS(WEBページのレイアウトを指定するための言語)とかでインデザインデータを管理したりできるなとつくっていて思いました。同じ考え方なので、(プログラムを)書けなくないはずです。理系の人が論文を書くときに使うフォーマットってプログラムチックなんですよ。HTMLみたいなコードを書いていくと、最終的にきれいにPDF化されていくっていう。


そもそもそういうつくり方が好きなんですね。デザインの方法としては少しイレギュラーと言うか...

イレギュラーさで言えば...本の中にはもともとGIF形式だった画像も入っています。(GIF:WEBでよく使われる画像フォーマット・簡易的なアニメーションが可能)画像データを開いてコマ割になったアニメーション画像の中から良いカットを探して使っています。動画だったらキャプションを自分で撮って載せたり、そういう意味でもイレギュラーなプロジェクトだったのかもしれません。


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データの作り方までちゃんとデザインしたい、という宮本さん。インタビュー中にもシャープな正確が見え隠れしていました。今回の展示では、そんな宮本さんが何十回も修正を重ねた上で生まれたキービジュアルにもご注目ください。