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2013.09.04 - 2013.09.28

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ginza graphic gallery

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2013.09.25
Wed
text by DT

GGGにて開催中の「PARTY そこにいない。展」を、一緒につくっていただいている方々をご紹介しております。

地下1階の展示で使用されている「テレビリモコン」の制作でお世話になっている、BIRDMANの白井大地さんにお話しを伺いました。


よろしくお願いします。白井さんはBIRDMANで働き始めたのが今年の3月からということですが、それまでは何をされていたんですか?

IAMASという岐阜県立の大学院で研究をしていました。もともとはメディアアート専門の研究機関で、大学レベルの専門学校と大学院が同じ敷地内にあります。有名人は専門学校の方が多いんですけど、最近だったら真鍋さん(Rhizomatiksの真鍋大度さん)は専門学校の卒業生ですね。

専門学校のほうはいくつかクラスがあって、webデザイン、サーバーサイド、CG制作、それ以外にもパフォーマンスアートといったものもあります。Rhizomatiksがやっているような仕事を研究としてやっているようなクラスですね。専門学校と大学院で交流もあって、一緒に制作をすることもありました。

大学院のほうはもう少し研究色が強くて、現代音楽やメディアアート、建築、哲学などを専攻するゼミがあります。僕はインターフェースデザインを専攻していて、ちょうどその時期に学校側も力を入れている分野でした。


インターフェースと言うと、webやシステムの「見え方」の部分のことですか?

僕が専攻していたのは、どちらかというとGUI(Graphical User Interface:webサイトや携帯電話、各種モニター操作などをより使いやすく設計し、デザインへ落とし込んでいくことが求められる。)ではなくプロダクト系のインターフェースのことですね。もちろん知識としてGUIについても勉強しましたが、どちらかというと実際に動くプロダクトを作っていて、ArduinoやProcessingを使って実装していました。


簡単に手早くアイデアを試せないと、インタラクティブなものって共有が難しいので。技術力よりも、まずはそういったものを手早く試すことのできる環境を探していて、ArduinoやProcessingを使うのもそういう理由からです。結局大学院は卒業はしなかったんですが...(笑)


そうなんですか(笑)

最後に論文が通らなくて(笑)

そのときにBIRDMANへの就職が決まっていて、卒業しなくてもいいよと言ってもらえていたので、そのまま入社しました。


BIRDMANさんはwebの印象が強い会社ですが、どういう経緯で入社されたんですか?

もともとインスタレーションを仕事としてやっている会社を探していて、今だとweb中心の広告系の会社がそういう分野で多くて、その流れで入りました。IAMASの卒業生がそのまま起業してそういう分野にアプローチすることもあるんですが、見ている世界が狭くなってしまうんじゃないかという不安も少しあって、

IAMASとは直接関係のないところを探していたというのもあります。


働き始めてからはどういったお仕事に携われたんですか?

僕はもともとwebをやっていなかったので、そこは勉強している状態です。BIRDMANに入って初めてやった仕事が「PUSH」ですね。その後にいま六本木の「21_21」で開催されているカラーハンティング展の中でのデバイスを制作しました。銃型のデバイスで壁に向かってトリガーを引くと、ペイント弾が打たれて描画されるという展示に技術協力をしています。


社内でそういったデバイス系の仕事を担当されている方はいるんですか?

うちはwebのエンジニアがほとんどなので、web以外のデバイスの専門は僕だけですね。なので仕事では社長とお付き合いの長いコバヤシタケルさんについてもらって、いろいろと教えてもらっています。

そういうポジションなので、クライアントワーク以外でも新しいデバイスを使ったインスタレーションを社内で発表するというのも仕事の一つになっていますね。


アーティスト色の強い仕事のされ方ですね。学生時代も含めて作品数も多いんですか?

いや、僕は作家になる気は全然なくて、「おもしろそうなものを一回触ってみたい」っていうだけでやってきたので...あと、メディアアートって制作にはどうしても時間がかかるんですよね。なので作品数は多くはないと思います。


そういう意味では、今のお仕事はそういった意図に近いところだったりするんですか?

そうですね。(BIRDMANは)他の会社とはちょっと違う動き方をしていて、普通にwebサイトを作るだけじゃなくて今回の展示のような、既存のデバイスをハックするというような仕事が多いので、やっていることとしてはずっと学生のときと同じことをしています。ただ周りのレベルが上がっていってるので、それに着いていくのが大変ですが...。


shirai-san_1.jpg

白井さんには地下1階 展示の「テレビリモコン」を担当していただきました。

そちらについてお話ししていただけますか?

すごく簡単な仕組みなんですが、テレビ側に取り付けたセンサーで赤外線信号を受信してテレビの向こうの部屋にあるスマートフォンにメッセージがいくようにしています。チャンネルごとにプロトコル(信号を送る間隔)が違うので、それぞれのプロトコルにメッセージを割りあてて、ネットワークを介してそれを送っています。


ちょうどモールス信号みたいな感じですか?

そうですね、同じ原理です。デバイス側をつくることもできたんですが、今回は元のデバイス(リモコン)の持っているプロトコルは残して、チャンネルごとにそれぞれのプロトコルを解析しました。なのでこちらのリモコンは既製品のままいじっていないです。


今後はどんな仕事をしてみたいですか?

基本的におもしろそうならどんなものでも触ってみたいというのは変わらないんですが...最近気になっているのはPlay Station Vitaですね。SDK(= Software Development Kit:技術者向けに配布される開発キット。誰でもゲーム開発が可能)が公開されているので。たとえば「背面タッチ」を利用した表現とか、やってみたいことがいくつかありますね。あとはライブのVJとか、イベント系の仕事をしたいですね。もともと音楽が好きで、大学院の頃は趣味でDJやVJをやったりしていました。周りにも音系のパフォーマンスをやる人が多くて、先生が「クラブを拡張したい」って言い出したりとか(笑)


おもしろいですね!確かに、メディアアートは音楽との相性が良い印象があります。

楽器をつくったりとかもするんですか?

そうですね、今は趣味で「MIDIコントローラー」をつくったりしています。ギター型のインターフェースで、弦の代わりにネック部分にタッチセンサーを置いてみたり、あとは「ジョグホイール」って言って音楽のタイムラインを制御するものを自作したりとか。このあたりはほんとに趣味でやっていますね(笑)

あとはデバイスだけではなくて、デバイスとwebをどう絡めていくかっていうことにも興味があります。もともとハードばかりでwebについてはそこまで知識がなくて、仕事の中でそういうことを勉強しながらアウトプットもしていけるような環境を探していたので、そういう意味で会社にも環境にもすごく恵まれているなと思います。なかなかこういうことを仕事としてできるところも少ないので。


shirai-san_2.jpg

まるでおもちゃ箱のような白井さんのプロトタイプキット


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「おもしろいものがあったらとにかく触ってみたいし作ってみたい」という白井さん。落ち着いた言葉の中にも強い情熱を感じました。

今後ともよろしくお願いいたします!